教育資金って高いんでしょ？
幼稚園も高校も無償化になったから大学に進学しなかったら0円なんじゃないの？
そうでもないんぢゃ。
2019年10月から幼児教育の無償化がスタートしました。ただ、いまだに教育資金は人生の3大資金（教育資金・住宅資金・老後資金）と言われています。「無償化になったのになぜなのか。」その理由を調べてみました
上記は幼稚園から大学まで公立若しくは私立に通った場合の教育費総額一覧です。幼稚園から大学まで全て公立で通ったとして約842万円、大学には進学せず幼稚園から高校まで公立で通ったとしても、約544万円の教育費が必要になります。幼児教育と高校が無償化になったのに、なぜこんなにかかるのでしょうか？
「高い保障の生命保険に加入して欲しいために、保険会社が多めに計算した金額なのか？」と思い、本当はどの位かかるのか調べてみました。因みに多少の金額の差はあるものの他も同じような金額でした。
先ずは、上記教育費の表の出典元となっている文部科学省の子供の学習調査を調べてみました。この調査は平成6年から隔年で実施しており、最新の情報は令和3年のものとなっています。下記が１年間のお子さん一人当たりの学習費総額です。
「無償化になっているのになんで？どこが無償化なの？」というのが感想でした。もう少し中身の詳細を調べてみました。
上記は1年間にかかる公立幼稚園と私立幼稚園の費用推移表です。2019年（令和1年）10月に幼児教育無償化になったことで、確かに令和3年の費用については確かに下がっています。ただ無償化になったとはいえ、公立幼稚園では約16万5千円/年、私立幼稚園では約30万9千円/年かかっていることが分かります。
つまり、幼児教育無償化とは、全額無償になったのではなく、収入に応じて上限が決まっていたり、無償になる対象が決まっているため、0円ではないということなのです。もう少し幼児教育無償化について詳しく調べたい方はこちらを参照ください。
費用の詳細を見てみましょう。下記は1年間の幼稚園（除く学校外費用）にかかる費用の内訳です。
公立、私立共に通学関係費に一番お金がかかっていることが分かります。この通学関係費には交通費だけではなく、制服やカバンなどの費用も入っています。
それ以外に、幼児英会話スクールやバレエ、サッカー等の学校外活動費用がかかってきますので合計すると、公立幼稚園では約16万5千円/年、私立幼稚園では約30万9千円/年かかるということなのです。
小学校についてはどうでしょうか。
公立小学校では約35万3千円/年、私立小学校では約166万7千円/年となっています。公立と私立では大きく違います！ただ、どちらとも上昇傾向にあることが分かると思います。どこのご家庭も教育費に使うお金が年々増えているという事です。
公立小学校だと給食費位じゃないの？と思われる方も多いのではないでしょうか。下記が費用（除く学校外費用）内訳になっています。公立小学校では，「図書・学用品・実習材料費等」の支出が最も多く、私立小学校では「授業料」の支出が最も多くなっています。
更には学校外費用（学習塾や家庭教師、野球やサッカー等）が掛かってきます。こちらの費用についても、公立小学校では約24万8千円/年、私立小学校では約66万1千円/年と、私立に通わせてあげているご家庭の方が多く負担している傾向（上記、図2-1参照）にあることが分かります。
中学校にかかる費用についてはどうでしょうか。
小学校と比べると公立については年間にかかる費用は多く（35万3千円⇒53万9千円）なっていますが、私立については逆に少なく（166万7千円⇒143万6千円）なっています。私立中学になると学校行事が忙しくなるのか、学校外活動費が私立小学と比べて少なくなるのが理由です。
中学校も小学校と同様に私立は授業料にかかる費用が多く占めます。一方で学校外活動費については公立も私立も金額にほとんど差がなく（上記、図3-1参照）ことが分かります。
中学校までは公立と考える方も、「高校は私立かも」と考える方は多いのではないでしょうか。公立と私立でどの位差があるのか見ていきましょう。
2010年4月から公立高校無償化、2020年4月からは私立高校無償化がスタートしましたが、公立高校で年間51万3千円、私立高校で年間105万4千円の費用がかかっています。私立高校無償化がスタートしても学費は上昇しているのが現状です。所得制限があったり支給額の上限があったりするため、全国の約8割の生徒が利用しているとはいえ、実際の費用は下がっていないのが現状です。
その証拠に実質無償化になったとはいえ、公立高校で52,120円、私立高校で288,443円の授業料がかかっています。
2010年4月1日より高校無償化がスタートし、2019年10月からは幼児教育無償化、更には2020年4月から私立高校授業料実質無償化になりましたが、現状は教育資金の備えは必要だということが分かりますね。
今回は大学費用について検討しませんでしたが、幼稚園から高校まで全部公立に通って544万円、全部私立だと1,830万円もの教育資金が必要となります。
住宅ローンを支払いながら、お子さんを学校に通わせてあげて、更には日々の生活をしていくとなると、気が遠くなりますよね。「いったい、いくらの収入があればいいの？」と思われるのではないでしょうか。
でもご安心ください。今からライフプランニングをしてしっかり備えておけば大丈夫です。
自分が思い描く人生を心豊かに歩んでいくために”今”なにをすべきか一緒に考えてみましょう！
