年金手取り額を知ろう

すえ吉
すえ吉

年金を受け取るようになっても、税金とか社会保険料を払わなきゃいけないって本当なの?

とん太
とん太

まぢかよ?!やっと年金貰えるようになっても、その中から払うって事?

ぶー太郎
ぶー太郎

でも、そんなに多く払わなくてもいいんでしょ?

村長
村長

今日はそこを具体的に勉強するかのぉ。

年金から引かれるものは、大きくは2つ、社会保険料と税金です。社会保険料の中身は健康保険料と介護保険になります。税金の中身は、所得税と住民税です。

年金収入は、年金定期便やねんきんNETでわかりますが手取り額は記載されていません。年金手取り額は、年齢、居住する市区町村、扶養・各種控除の有無、年金以外の所得等々で変わってきます。

ここではわかりやすくするため設定例を東京都大田区在住、単身65歳で年金受給開始、年金総額年間240万円(概算月額20万円)、年金のみ他の収入なしという設定で概算年金手取り額を計算してみます。

結論からいうとこの設定の年金手取り額は年間で概算209万円(控除額計31万円)、月額に換算すると手取り額17.4万円となります。支給総額の87%です。

以下、順を追って詳しく説明していきます。

年金収入から年金所得を計算する

年金収入から控除される社会保険料と税金の計算をする上で先ずは、計算の基準になる金額(年金所得)を算出します。

年金所得とは、年金収入から一定の額(公的年金控除額)を差し引いた金額のことを言います。

国税庁HPより公的年金控除額速算表

上記、公的年金控除額速算表から、65歳年金総額240万円の場合、公的年金控除額は110万円となります。

つまり、240万円(年金収入)-110万円(公的年金控除額)=130万円年金所得となります。

*公的年金控除速算表で110万円控除は年金等収入330万円以下、公的年金以外の合計所得金額1,000万円以下の場合なので大半の人がこの110万円控除枠に該当すると思います

社会保険料を計算する

社会保険料のうち国民健康保険料は居住する市区町村で異なります。

国民健康保険料の計算

概算はPCやスマホで「国民健康保険料を自動計算する」と検索するといくつかのサイトが出てきますので使いやすいサイト見つけて算出します。市区町村毎の計算が可能です。

ここでは国民健康保険計算機というサイトを使いました。

計算機内のかんたんフォームに市区町村、年齢を選択し年金収入を入力すると自動計算されます。

年金収入240万円の場合、概算国民健康保険料年間114,000円となりました。

介護保険料の計算

介護保険料については計算サイトでなく市区町村のHPに掲載されています。

〇区・市介護保険料などで検索してください。大田区65歳以上の場合は、合計所得120~210万円未満の介護保険料は年額90,000円となります。

以上から概算ですが社会保険料は114,000円+90,000円=204,000円となります。

*社会保険料は、市区町村によって万円単位の違いがあります。

所得税の計算

所得税は{課税所得(年金所得)-社会保険料-48万円(基礎控除}}×所得税率×102.1%(復興特別税)で計算します。

課税所得は、前述の年金所得130万円、社会保険料20.4万円、所得税率は下記の国税庁HP掲載の所得税の速算表から税率5%(課税所得195万円未満)となります。

国税庁HPより:所得税の税率

設定例にあてはめると所得税は(130万円-20.4万円-48万円)×5%×102.1%=31,447円となります。

*課税所得130万円は年金総額240万円(月額20万円)、この年金総額になるには現役時代の年収700万円超が必要、よって大半の方が税率5%に該当すると思われます

住民税の計算

住民税は課税所得-社会保険料-43万円(基礎控除)×10%(所得割)+5,000円(均等割)で計算します

。住民税の税率は一律10%です。設定例にあてはめると住民税は(130万円-20.4万円-43万円)×10%(所得割)+5千円(均等割)=71,600円となります。

*設定例が単身者なので所得税、住民税とも基礎控除のみですがその他の配偶者控除、扶養控除などあればその分も控除します

*基礎控除が所得税と住民税、48万円と43万円と微妙に異なります。

結論

年金の手取り額は年金収入-社会保険料-所得税-住民税なので設定例にあてはめると

240万円-20.4万円-3.1447万円-7.16万円=2,092,953円、概算年間209万円、月額17.4万円ほどになります。

*金額の端数処理は考慮していません

まとめ

年金収入から手取り額の計算手順をまとめておきます。

1.年金所得を計算する

①年金定期便やねんきんNETで年金収入を把握

②国税庁HPの公的年金控除額速算表を参照して年金所得を算出

⇒年金所得=年金収入-公的年金控除額(65歳以上の大半の人は110万円控除)

2.社会保険料を算出

①国民健康保険料を自動計算するサイトで利用して国民健康保険料算出

②介護保険は該当する市区町村HP介護保険料検索して介護保険料算出

3.所得税を算出

国税庁HPで所得税速算表を参照(大半の人は税率5%)

⇒所得税=年金所得-社会保険料-48万円×5.105%

4.住民税を算出

⇒住民税=年金所得-社会保険料-43万円×10%+5千円

5.年金概算手取り額

⇒年金概算手取額=年金収入-社会保険料(国民健康保険料+介護保険料)-所得税-住民税

将来の年金予測については、ライフプランニングで計算することができます。

ご希望の方は下記からご相談ください。

専門家に無料で相談

★☆LINE お友達募集中☆★
家計に必要なお金の勉強
【初級クラス】配信中